概要
フェンリル(Fenrir)は、北欧神話に登場する巨大なオオカミのようなモンスターである。悪神ロキと巨人アングルボザの子供の一人であり、終末戦争ラグナロクで猛威を振るった強敵である。
形態
山のように巨大なオオカミの姿をしているが、耳まで裂けた大きな口をもつ。口を開くと上あごが天に、下あごが地につくほどだという。
特徴
- とてつもない怪力を持ち、普通の鎖ではつなぎとめることができなかった。そのため、フェンリルの拘束にはグレイプニルと呼ばれる魔法の紐が使われた。
- 口からは煙や炎が噴出している。ファイアブレスを吐くことができる。
フェンリルの兄弟
フェンリルは魔物3兄妹の長男である。弟にヨルムンガンド、妹にヘルがいる。
伝説
初めは普通のオオカミと変わらなかったため、監視のためしばらくの間は神々に飼われていたという経緯がある。しかし日増しに大きくなり、「神々の脅威となる」との予言が告げられたため孤島で拘束されることとなった。
こうして長い間束縛されたままであったが、終末戦争のラグナロクが訪れると拘束を破り猛威を振るった。戦いでは主神オーディンと戦いこれを打ち破っている。しかし、最終的にはオーディンの息子の一人であるヴィーザルに殺された。
参考文献
- 池上良太「図解北欧神話」(2007)p.124-125