酒呑童子(しゅてんどうじ)

酒呑童子
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概要

酒呑童子(しゅてんどうじ)は平安時代の京都に出没した鬼の頭領である。非常に強力・凶悪な鬼で、九尾の狐(玉藻の前)や大嶽丸と並び三大妖怪の一人とされる。部下には茨木童子のほか、星熊童子・熊童子・虎熊童子・金童子などがいる。

形態

身長は約3mで、普段は子供が大きくなったような姿をしている。しかし、本当の姿は熊のような手足をもつ毛むくじゃらの大鬼である。

特徴・伝説

  • 大変な酒好きである。酒呑童子という名前はそのことに由来する。
  • 夜の街に現れては人を殺して人肉を食らったり、金品を盗んだり、貴族の娘をさらったりと様々な悪事を働いた。
  • 酒呑童子は生まれつきの鬼ではなく元は人間であった。出身は越後(新潟)で、生まれてすぐに5歳児並に話し、歩くことができたため周囲からは「鬼っ子」と呼ばれていたという。成人すると流浪の旅に出、そこで殺人を犯すなどした。
  • 放浪の末たどり着いた京都では、一度比叡山に住み着いたものの最澄(天台宗の開祖)に追い出されている。その後大江山へ逃れ、そこでも空海(弘法大師)の力で追い出されるが、今度は空海の死を待って山に戻り、「鉄の御所」と呼ばれる宮殿を築いた。
  • 最終的には源頼光らによって討伐された。頼光たちは山伏に変装して鉄の御所を訪れ、酒呑童子を油断させて「神便鬼毒酒」という毒の酒を飲ませることに成功した。このとき酒呑童子の首を切り落とした刀が国宝の「童子切」だといわれている(※ただし、この刀は伝説よりも後に作られたという説もある)。

参考文献