なまはげ

なまはげ
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概要

なまはげは秋田県の男鹿半島に伝わる神の使いである。「泣く子はいねがー」「悪い子はいねがー」などと怒鳴りながら家々を練り歩く姿はあまりにも有名であり、秋田県のアイコン的存在となっている。なお、なまはげが恐ろしい形相をして怒号を飛ばす姿は鬼をイメージさせるが、本来は鬼ではない(ただし当サイトでは便宜上鬼に分類した)。

形態

藁の衣装を身にまとった鬼のような姿をしている。赤い肌の「じじなまはげ」と青い肌の「ばばなまはげ」が二人一組になっていることが多い。

名前のルーツ

「なまはげ」という名前は「なもみはげ」が訛ったものだといわれている。「なもみ」とは低温やけどの痕のことで、昔のコタツや囲炉裏に長くあたっていると皮膚に紫色の痕が残った。つまり、この痕があるということは冬場に怠けていたとされるわけである。なまはげはそのような怠け者の生皮を剥ぎにやって来るためこの名がつけられた。

起源と伝説

なまはげの起源については諸説あるが、中国の武帝にまつわる伝説が特に有名である。

中国の漢の時代、武帝は不老不死の薬を求めて男鹿半島にやってきた。このとき家来の中には5人の鬼がいた。鬼たちは武帝のためによく働いたが、ある日休暇をもらうと村に降り、人をさらって食ったり作物や家畜を荒らすなどして暴れまわった。

困った村人は武帝に「年に一度鬼たちをもてなす代わりに、鬼たちに一番鶏が鳴くまでの一晩で山のふもとから山頂まで千段の石段を作らせてほしい。もし、それができないなら鬼たちを二度と村に降ろさないでくれ」とお願いした。

武帝がこのことを鬼たちに伝えると、鬼たちは早速石段作りに取り掛かった。村人たちはさすがに一晩では無理だろうと考えていたが、鬼たちの働きぶりは凄まじく、みるみるうちに石段が積まれていった。そしてあと一段というところになっても辺りは真っ暗だった。

ところが、今まさに鬼たちが最後の一段を積もうとした瞬間、突然一番鶏の鳴き声が響き渡った。焦った村人が天邪鬼にニワトリの声真似をさせたのだ。鬼たちは期限までに石段を完成させられなかったと思い込んで地団太を踏んで悔しがり、近くにあった千年杉を引っこ抜いて逆さまに地面に突き立て、山へと去っていった。

村人たちはこれでもう鬼がやってくることはないと安堵したが、結果的に鬼たちをだましたことからその祟りを恐れた。そこで年に一度鬼に変装し、働き者だった彼らにちなんで怠け者をこらしめるようになったという。

参考文献